海外移住の稼ぎ方5パターン|現地就職に頼らず住み続けるための選び方

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海外移住の稼ぎ方5パターン|現地就職に頼らず住み続けるための選び方

海外に住みたい。でも、現地で仕事が見つかる気がしない。日本の仕事を持って行けたらと思っても、海外移住の稼ぎ方として何を選べば、向こうで暮らし続けられるのかが見えない。そんな迷いを抱えたまま、動き出せずにいる方は少なくありません。

海外移住の稼ぎ方は、何を売るかで5パターンに分かれます。そして、単価の決まり方、ビザ審査で見られる収入の続き方、日本の税金の3つによって、同じ「海外で収入を得る」方法でも、長く住み続けられるかどうかが変わります。自分に合う選び方は、現地就職のほかにもあります。

なお、1章から4章は、公表されている制度と公開データにもとづく整理です。筆者自身の考えと体験は、5章と6章でお伝えします。

※本記事のビザ・税金の情報は、2026年10月時点で各国の政府機関や国税庁が公表しているものに基づいています。ビザの要件や税率は変更されることがあります。渡航・申請・申告の前に、各国の移民当局や大使館、国税庁などの公式サイトと、税理士などの専門家で最新情報をご確認ください。

1. 海外移住の稼ぎ方は、何を売るかで5パターンに分かれる

窓辺に置かれたランプと観葉植物

現地採用、駐在、ワーキングホリデーといった働き方の入口から比べたい方は、海外移住で仕事はどうする?現地就職・リモート・起業の3ルート比較と、海外移住で働く全方法で解説しています。この記事では入口ではなく、海外に住みながら誰からお金を受け取るかで、稼ぎ方を分けます。

海外移住の稼ぎ方を、雇用形態ではなく売るもので分ける

分け方の軸は、何を売るかです。給与を受け取る、時間を売る、専門スキルを売る、自分の商品を売る、他者の商品や市場に乗る。この5つに分けると、お金を払う相手と、単価を決めるものが見えてきます。

5つのパターンは次のとおりです。

① 日本の会社に雇われたまま、リモートで働く(給与)
② 作業や制作を請け負う(時間)
③ 専門スキルで企業の売上を支える(BtoBのスキル販売)
④ 自分の商品を個人に届ける(オンラインの講義・コーチング・コンテンツ)
⑤ 他者の商品や市場に乗る(物販・アフィリエイト・投資)

海外移住の稼ぎ方5パターンの一覧表

パターン お金を払う相手 単価を決めるもの 収入の続き方
① 雇われたままリモートで働く 日本の会社 会社の給与規定 雇用契約が続く限り
② 作業や制作を請け負う 依頼した企業や個人 作業時間と件数 案件ごと
③ 専門スキルで企業の売上を支える 企業 クライアントの売上への貢献 月額顧問・長期契約になりやすい
④ 自分の商品を個人に届ける 商品を買う個人 商品の価値と届く人数 集客が続く限り
⑤ 他者の商品や市場に乗る 販売先・広告主・市場 他社の手数料率・市場価格 相場と規約しだい

※表は、それぞれの仕組みを記述したものです。良し悪しや順位を示すものではありません。

同じ在宅の仕事でも、時間を売るのか、価値を売るのかで、単価の上がり方と契約の続き方は変わります。

2. 海外移住の稼ぎ方5パターンの中身

工房で木材を加工する手元

5つのパターンは、払う相手だけでなく、海外に住むときに関わる在留資格や税金も違います。

日本の会社に雇われたまま海外移住先でリモートで働く稼ぎ方

売るのは自分の労働力で、払うのは日本の会社です。給与は会社の規定で決まります。日本の会社に在籍したまま国外で働くことを認めるかどうかは、会社ごとに異なります。

海外に住むとなると、会社の就業規則と、移住先の在留資格の両方が関わります。住む国が、会社の決まりと一緒に動く構造です。国ごとの違いは、海外リモートワークにおすすめの国ランキングで比べています。いま在籍している会社の制度を確かめるところから始める、入口の形です。3章の在留資格と、4章の税金の両方が関わります。

作業や制作を請け負う、海外移住の入口になりやすい稼ぎ方

売るのは作業や制作の時間で、払うのは依頼した企業や個人です。ライティングやデザイン、動画編集などが当てはまります。

始めやすい反面、作業にかかる時間がそのまま収入の上限になります。フリーランスとして働く際のビザや税金は、フリーランスが海外で働くには?で扱っています。まず何かを売ってみたい方の入口になりやすい形で、3章と4章のどちらも関わります。

専門スキルで企業の売上を支えるBtoBの稼ぎ方

売るのは、企業の売上に関わる専門スキルで、払うのは企業です。広告運用、ファネル構築、SEO、SNS運用代行などは、その例です。成果が企業の売上に結びつく分、契約は月額や長期の形になりやすくなります。

成果物と数字で進められる仕事が多く、日本の企業を相手にしたまま海外で続けやすい形です。BtoBの考え方は海外起業は企業向け(BtoB)から始めるのが近道に、単価が変わる仕組みはフリーランスの単価アップで海外移住を叶えたにまとめています。契約書で収入の続き方を示しやすいため、特に3章に関わります。

自分の商品を個人に届ける稼ぎ方

売るのは自分の知識や経験を形にした商品で、払うのは商品を買う個人です。オンラインの講義、コーチング、コンテンツの販売が当てはまります。

他者の商品を扱うよりも、自分で設計した商品のほうが利益率は高くなります。その反面、集客が止まると収入も止まります。始め方は、コンテンツ販売の始め方と、オンライン起業は何から始める?で解説しています。収入の続き方を書面で示す場面があるため3章に、日本の個人から受け取る代金の扱いが関わるため4章にも関わります。

物販・アフィリエイト・投資など、他者の商品や市場に乗る稼ぎ方

売るのは他者の商品や、市場の値動きに乗る機会です。払うのは販売先、広告主、市場です。物販やアフィリエイトは、手数料率や規約が変わると収益も変わります。値段を自分で決められない分、相場や規約の変更に左右されます。

投資は、事業などで得たお金の置き場として使われることが多い形です。単発の売上や運用益は、ビザの審査で継続性を示す材料としては扱いにくく、3章に関わります。受け取った利益の申告は、4章に関わります。

3. 海外移住の稼ぎ方はビザ審査で見られる:収入の続き方と証明

積み重ねられた書類とファイル

稼ぎ方は、在留資格の審査につながっています。この章では、各国の政府機関が公開している要件のうち、確認できたものだけを取り上げます。3カ国の要件は、税引きの前後や自営か雇用かといった基準が違うため、金額どうしは比べません。

海外移住の稼ぎ方は、在留資格の審査で収入の証明になる

在留資格の審査では、収入があるかどうかだけでなく、それを書面で示せるかが問われる場面があります。契約書、決算書、納税の証明などで、求められる書類は国と在留資格によって違います。

ポルトガルとオランダの例に見る、稼ぎ方と在留資格の関係

ポルトガルには、リモートで仕事をするデジタルノマド向けの一時滞在査証があります。ポルトガル外務省の案内では、直近3カ月の平均月収が、月額最低保証賃金の4倍以上であることが求められます。

働き方を示す書類は、自営の場合は、会社の設立契約、役務提供契約、役務提供契約の提案書、提供した役務の証明のいずれか1つです。雇用の場合は、雇用契約、雇用契約の予約、雇用主による雇用関係の証明のいずれか1つを出します。

2026年の月額最低賃金は€920と公表されています。この額で計算すると、4倍は月€3,680(約68万円)です。

オランダには、日蘭条約にもとづく自営業者の居住許可があります。日本国籍であることと、多くの形態で最低€4,500(約83万円)の投資が求められます。許可は最長2年で、延長のときは、年次の決算書と貸借対照表または損益計算書の提出が求められます。

この2つの国から読み取れるのは、契約書や決算書で収入が続いていることを示す場面があることです。月額の顧問契約や長期契約は書面で示しやすく、単発の物販やアフィリエイトは材料として弱くなりがちだという整理は、海外移住の国を変えた決め手は永住権にあります。ノマドビザの国別の違いはデジタルノマドビザとはで比べています。

イギリスでは、個人の稼ぎ方だけでは在留資格につながりにくい

英国政府の就労ビザの一覧には、個人事業主やフリーランス向けの枠がありません。起業家向けのInnovator Founderビザは、承認された団体の推薦が前提です。起業して住む国の比較は起業しやすい国ランキングに、永住権の条件は永住権の取得条件にまとめています。

審査で見られるのは、稼いだ額の大きさだけでなく、それが続いていると書面で示せるかどうかです。

※出典:ポルトガル外務省 一時滞在査証/同 生計手段/オランダ移民局(IND)自営業者の居住許可/英国政府 就労ビザの一覧/英国政府 Innovator Founder(いずれも2026年10月確認)。最新の要件は公式サイトや専門家でご確認ください。

4. 海外移住の稼ぎ方と日本の税金:非居住者になってからの注意点

机の上の電卓と書類

海外に住んでも、日本の税金との関わりは残ることがあります。ここでは、国税庁が公表している情報から、稼ぎ方に関わる部分を取り上げます。

海外移住後の稼ぎ方は、まず居住者か非居住者かで税金の扱いが変わる

国税庁の案内では、国内に住所を持つ個人、または現在まで引き続き1年以上居所を持つ個人が居住者で、それ以外は非居住者です。住所は生活の本拠で判断され、滞在日数だけでは決まりません。外国に183日以上いても、生活の本拠が日本にあれば、居住者になる場合があります。

非居住者への課税は、国内源泉所得に限られます。

日本の顧客から受け取る報酬と源泉徴収

国内源泉所得には、国内で行う人的役務の提供を事業とする者の対価などが含まれます。非居住者に支払われる国内源泉所得は、原則として源泉徴収の対象で、人的役務の提供事業の対価の税率は20.42%です。租税条約の届出書を出すと、軽減や免除になる場合があります。

2027年(令和9年)分以後は、所得税に上乗せされる復興特別所得税が1.1%に下がり、新たに防衛特別所得税(1%)が加わります。上乗せの合計は変わらないため、20.42%という率もそのままです。

海外から日本の顧客に提供した仕事の報酬がこれに当たるかどうかは、契約の内容などによって判断が分かれる場合があります。20.42%は業務委託の報酬すべてにかかる率ではなく、個別の判断は税理士や税務署への確認が前提です。税金の全体像は海外移住で税金はどう変わる?に、個人事業主の届出は個人事業主が海外移住するには?にまとめています。

海外移住の前に、納税管理人と出国税を確認する

1年以上の予定で海外に出て非居住者となる人が、確定申告などを必要とする場合は、納税管理人を選び、所轄の税務署長に届出書を出します。申告の流れは海外移住後の確定申告は必要?で扱っています。

出国税(国外転出時課税)は、有価証券などを合計1億円以上持ち、原則として出国前10年以内に日本に住んでいた期間の合計が5年を超える人が対象で、詳細は出国税とはにまとめています。法人を持つ段階では、海外の子会社の所得を合算するタックスヘイブン対策税制の確認が必要です。法人化と税金は海外移住者の法人化タイミングと税金比較で扱っています。

海外に住めば税金が軽くなるという期待で、稼ぎ方を選ぶ必要はありません。届出と申告の段取りは、出国前に決めておきましょう。

※出典:国税庁 No.2875/No.2012/No.2873/No.2878/No.2884/防衛特別所得税Q&A/No.1923/No.1478/国外転出時課税(2026年10月確認)。海外から提供した役務の報酬の扱いなど、個別の判断は税理士や税務署でご確認ください。

5. ヨーロッパ在住10年の私が考える、海外移住で稼ぎ続けられる稼ぎ方

ずらりと並ぶ眼鏡のフレーム

ここからは、ヨーロッパで10年暮らし、イギリスで事業を営んできた私の考えをお伝えします。

海外移住の稼ぎ方は、単価の決まり方で続くかどうかが変わる

海外で暮らし続けられる額になるかどうかは、単価の上限で決まると考えています。単価は、その仕事が生む価値の量と、それができる人の数で決まります。価値が大きく、できる人が少ないほど単価は上がり、誰でもできる作業ほど単価は下がります。

作業や制作は、海外移住の入口として優れています。ただ、時間が上限になり、誰でもできる作業ほど、AIや他の人に置き換わりやすくなります。AIは、使う側に回れば事業を伸ばす道具になります。だから私は、制作から始めた人にも、企業の売上を一緒に考える側へ立ち位置を移すことをすすめています。企業や起業家に提供できるスキルには、大きな需要があります。

私の場合、スキルは収益を生む武器になり、マーケティングは自分を守る力になりました。事業で住んでいると、売上が落ちた月は、家族が住み続けられるかどうかに触れる月になります。

作業から始めて、企業の売上を考える側へ移る

会社員の方は、まずスキル販売で小さく始め、フリーランスとして実績を積み重ねていくのが現実的です。フリーランスは自分の時間を使う案件の積み重ねなので、上限があります。安定したら、より多くの人に届く形へ広げていきます。

受講生の諸橋さんは、最初は言われた通りに構築して納品する仕事をしていました。それが、クライアントのビジネス全体を一緒に考え、提案する側に変わっていきました。すると、一つひとつの契約の単価が上がり、継続の関係になっていったそうです。詳しくはパリ移住の体験談にあります。

1章の5つのパターンのうち、会社に雇われたままの働き方も、物販やアフィリエイトも、否定はしません。ここでお伝えしているのは、私の優先順位です。

物販や投資は、事業で稼いだお金の置き場として考える

物販やアフィリエイトは、手数料率や規約を自分で決められません。他の人の商品を売るよりも、自分の商品を設計するほうが利益率は高くなります。

投資には、過剰な期待をしないようにしています。マーケットは、自分の力ではどうにもなりません。だから私は、事業で稼ぎ続けられるよう自分を進化させることを軸に置いています。そのうえで、事業で得たお金を安定した投資に回すことも、長く住むための力の一つだと考えています。

6. 私がたどった海外移住の稼ぎ方の順番:事業、ビザ、永住権

アムステルダムの運河沿いの街並み

海外移住で稼ぐ順番を、私はイギリスで逆に学んだ

私は駐在員としてイギリスに来ました。赴任のビザは会社の赴任とセットで、その期間は永住権の年数に数えられないと分かりました。住み続けるには、起業しかないと考えました。専門家に相談すると、実店舗のある事業のほうが、ビザの審査で有利だと聞きました。そこから業種を逆算して、眼鏡屋を始めました。

起業のあとに必要だったのが、移民を雇う権利である、スポンサーシップライセンスです。取得には4カ月ほどかかりました。赤字からのスタートで採用にも苦労しましたが、事業を安定させ、ライセンスを基盤にしたビザで5年を過ごして、永住権に届きました。

会社に不満があったわけではありません。雇用では、住む国を自分で決められない構造に気づいて、選んだ道でした。イギリスには個人事業主やフリーランスとして住むビザの枠がなく、法人を持ってビザの道を作りました。年齢が上がるほど、海外での雇用の機会は先細っていくと感じています。事業の道は、年齢で閉じません。

海外移住の前に、日本で稼ぎ方を事業にしておく

この経験から、受講生と取り組む順番は決まっています。日本で事業を作る。それを持ってビザを取る。永住権まで住み続ける。事業の作り方は、海外でゼロから事業を作る6ステップにあります。

諸橋さんは、パリのワーキングホリデーで、現地で働いて月25万円ほどでした。ビザの期限で帰国したあと、日本の顧客向けの事業を始め、2025年7月に月商100万円に届きました。オランダでは、個人事業主として在留するために4,500ユーロの事業投資をして、2026年3月に滞在許可証を受け取っています。月商は200万円規模まで来ましたが、本人は「急いで一気に伸ばそうとは思っていません」と書いています。

江口さんは、フリーランス時代の月収20万円から、広告運用とファネル構築の事業を始めました。初案件が取れた5月に月収60万円、7月に月商200万円規模に届き、法人化を経てE2ビザでも申請できる状況を整えました。いまはマイアミ・サンフランシスコ・日本の3拠点で仕事をしています。詳しくはE2ビザで移住した体験談にあります。

2人とも、先に事業があり、住む国の選び方はそのあとについてきました。急いで一気に伸ばす道ではなく、日本の市場で地道に積み上げた人ほど、長く住み続けられると、私は考えています。

個人の事業から法人へ、国によって稼ぎ方の器が変わる

私が住むイギリスでは、法人を持つことが前提でした。オランダやポルトガルには、個人事業主として申請できる道があります。事業が育ったら法人にする流れの手順は、海外で会社を設立する方法にあります。永住権までの比較は、永住権が取りやすい国ランキングをご覧ください。

子育てが落ち着いたら、ポルトガルを二つ目の拠点にしたいと考えています。地道に事業を続けてきたからこそ、そういう選択肢を自分で持てるようになりました。

7. 海外移住の稼ぎ方についてよくある質問(Q&A)

本が並ぶ書店の入口

Q1. 移住する前に、どれくらい稼げていればいいですか?

国と在留資格によって基準が違い、税引きの前後や、自営か雇用かでも変わります。たとえばポルトガルのデジタルノマド向け査証は、直近3カ月の平均月収が最低保証賃金の4倍以上です。国ごとの違いはデジタルノマドビザとはで比べています。最新の要件は、公式サイトと専門家でご確認ください。

Q2. 日本の会社に勤めたまま海外に移住して働けますか?

会社が国外での勤務を認めるかと、移住先でその働き方の在留資格が取れるかの、両方によって決まります。国ごとの違いは海外リモートワークにおすすめの国ランキングにあります。

Q3. 海外で稼いだお金は日本で確定申告が必要ですか?

日本の居住者か非居住者か、日本で生じた所得があるかによって変わります。判断が難しい場合は、税理士や税務署への確認が前提です。流れは海外移住後の確定申告は必要?で扱っています。

海外移住の稼ぎ方には、時間で単価が止まる形と、価値で単価が上がっていく形があり、ビザも税金も、稼ぎ方の形で扱いが変わります。

ただ、私が大切にしているのは、どの稼ぎ方を選ぶかより、自分で稼げる力を持つことで、場所と時間とお金を自分でグリップできるようになることです。依存を絶って、自分の足で立てるようになると、国選びは、条件を比べる作業から、どんな人生を送りたいかを選ぶことに変わります。誰かの決まりや決断に住む場所を預ける人生より、自分で稼ぐ力を持って、住みたい国を自分で選んでいく人生の方が、楽しい。私はそう思っています。

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