子どもを連れて海外に移るとき、インターナショナルスクールの費用は年間いくらかかるのか。入学する年は、授業料のほかに何を払うのか。学校のホームページには申込料、入学金、施設費、デポジットと項目が並び、初年度に用意する合計が見えにくいと感じる方は多いはずです。
この記事では、8か国・10校の2026-27年度の公式の学費表をもとに、授業料と入学する年の費用を国別に比べます。条件によって授業料がかからない現地の公立校も紹介します。
なお、1章から4章は各校と各国政府が公表している情報の紹介で、筆者の評価や順位ではありません。筆者自身の経験と考えは、5章でお伝えします。
目次
※本記事の学費は、各校が2026年に公表した2026-27年度の学費表に基づいています。公立校などの制度は、2026年10月時点で各国政府が公表している情報です。学費や制度は毎年変わります。入学を考える際は、各校の最新の学費表と、各国政府・移民局の公式情報でご確認ください。
1. インターナショナルスクールの費用は「毎年の授業料」と「入学する年だけの費用」に分けて見る

インターナショナルスクールの費用は、毎年かかる授業料と、入学する年だけかかる費用に分けると読み取りやすくなります。
インターナショナルスクールの授業料に含まれるもの、含まれないもの
授業料に含まれる範囲は、学校ごとに違います。チューリッヒのZISは、課外活動、旅行、ドイツ語の授業、Grade 8までのiPadやPCが授業料に含まれ、昼食、通学、AP・IBの外部試験料は別です。アムステルダムのBSAは、必須のカリキュラム旅行と教科書が授業料に含まれ、任意の旅行と昼食は別です。同じ授業料でも中身が違うため、何が含まれるかを学費表で確かめる必要があります。
インターナショナルスクールの申込料・入学金・施設費は入学する年の費用
入学する年にかかる費用には、申込料(Application Fee)、入学金(Entrance Fee)、施設費(Capital FeeやInfrastructure Contribution)などがあります。返金なしと明記している学校が多くあります。ミュンヘンのMISの入学金は、初年度が€9,788(約181万円)で、2年目と3年目にも各€4,098(約76万円)がかかります。
インターナショナルスクールのデポジットは退学時に返ってくるお金
デポジットは、退学するときに返ってくる預かり金です。ロンドンのSouthbankは£2,000(約42万円)、バンコクのBangkok Patanaは50,000バーツ(約24万円)、ウィーンのVISは€620(約11万円)です。返金には、期限までの退学の届け出や未払いの精算などの条件があります。シンガポールのUWCSEAのように、デポジットを設けていない学校もあります。初年度に用意する現金には入りますが、費用ではありません。
インターナショナルスクールの学費に税金がかかる国
国によっては、学費に税金がかかります。ロンドンのSouthbankはVAT(付加価値税)20%別の表示です。クアラルンプールのGISはSST(サービス税)6%別の表示で、年間学費がRM60,000を超える生徒が課税対象です。学校の表示が税別か税込みかで、実際に払う額は変わります。
国ごとの相場の幅を先に知りたい方は、インターナショナルスクールの費用はどのくらい?国別の学費相場をご覧ください。
2. インターナショナルスクールの費用を国別に比較:各校が公表する2026-27年度の学費

金額は各校の2026-27年度の公式表に基づき、学年によって違うため、小学校低学年と最終学年の2点を中心に示します。並びは地域順で、おすすめの順位ではありません。円換算は、ユーロが€1=¥185、その他は2026年10月19日のレートです。
オランダのインターナショナルスクール費用:公的助成のある学校と私立
アムステルダムのAICS(Amsterdam International Community School)は、オランダ教育省の認定を受け、国の資金が入る学校です。2026-27年度の新入生の年額は、小学校(Primary Group 1-5)で€6,025(約111万円)、最終学年のDP2で€9,168(約170万円)です。小学校の額には、授業料€5,505のほかに、遠足、昼食の見守り、年鑑が含まれます。DP2の額も、授業料€7,671(約142万円)に試験料€850と遠足・年鑑を足した総額です。登録料は€200で、デポジット€500は退学の届け出や学費の完納などを条件に返金されます。
同じアムステルダムの私立、BSA(The British School of Amsterdam)は、Year 1が€20,461(約379万円)、Years 10-13が€22,976(約425万円)です。申込料€250と入学金€2,000(Years 1-12)は返金されません。
ドイツのインターナショナルスクール費用:ミュンヘンとベルリン近郊
ミュンヘンのMIS(Munich International School)は、Grades 1-4が€19,002(約352万円)、Grade 12が€28,659(約530万円)です。入学する年には、申込料€343、入学金€9,788、登録料€2,100がかかります。別にIT費があり、Grades 1-4では年€1,056です。
ポツダム近郊のBBIS(Berlin Brandenburg International School)は、Grade 1が€175〜19,400(約3万円〜359万円)、Grade 12が€25,100(約464万円、IBOの試験料は別)です。登録料は一度きりで最大€7,500(約139万円)で、Grades 1-10は所得に応じて減額され、世帯の所得が€30,000までなら免除です。教科書のデポジット€300は返金されます。
オーストリアのインターナショナルスクール費用:ウィーン
ウィーンのVIS(Vienna International School)は、Primary〜Grade 5が€23,675(約438万円)、Grade 11・12が€29,160(約539万円)です。入学する年には、申込料€670、入学金€5,760、施設費€5,040がかかり、合計は€11,470(約212万円)です。デポジット€620は返金されます。VISの施設費は、国際機関や外交官の家庭では別の料金(€3,500)です。
スイスのインターナショナルスクール費用:チューリッヒ
チューリッヒのZIS(Zurich International School)は、2026/27年度でGrades 1-5がCHF32,800(約628万円)、Grades 11-12がCHF39,700(約761万円)です。入学する年には、申込料CHF500とインフラ負担金CHF5,000がかかります。
イギリスのインターナショナルスクール費用:ロンドン
ロンドンの私立Southbank International Schoolの公式表は、1学期ごとのVAT別表示です。KG〜Grade 2は1学期£11,129で、年額に直すと£33,387です。VAT20%を含めると£40,065(約843万円)になります。Grade 11-12のDPはVAT込みで£48,099(約1,012万円)です。
新入生の施設開発費は、VAT込みで£3,300(約69万円)、申込料は£300、返金されるデポジットは£2,000です。2026/27年度の授業料は、その後の2年間も同じ水準に据え置き、2029年9月まで値上げしないと学校が公表しています。
マレーシアのインターナショナルスクール費用:クアラルンプール
クアラルンプールのGIS(Garden International School)は、Year 1がRM85,590(約331万円)、Years 10-13がRM126,870(約491万円)で、学費表の料金はすべてSST6%別です。登録料はYear 1以上でRM20,000(約77万円)で返金されず、申込料はRM1,500(SST込みでRM1,590)です。デポジットは1学期分で、Year 1ではRM28,530です。
Year 1の初年度は、授業料・登録料・申込料でRM107,090、SSTを含めるとRM113,515(約439万円)です。
マレーシアの教育移住については、マレーシア教育移住のリアル|MM2Hと教育環境の現状を解説で扱っています。
タイのインターナショナルスクール費用:バンコク
バンコクのBangkok Patana Schoolは、2026/27年度でYear 1-2が749,000バーツ(約354万円)、Year 12が1,014,000バーツ(約479万円)です。入学金は第1子が250,000バーツ(約118万円)、第2子以降は200,000バーツで、返金されません。申込料は2026年8月1日から5,500バーツ、デポジットは50,000バーツで退学時に返金されます。
Bangkok Patanaには、施設評価費(Capital Assessment Fee)が毎年30,000バーツ(約14万円)かかります。
シンガポールのインターナショナルスクール費用
UWCSEAの2026/27年度の授業料は、K1-G1がS$39,069(約482万円)、G11-12がS$49,926(約616万円)です。入学する年には、入学金S$4,992(約62万円)、開発負担金S$9,537(約118万円)、申込料S$627(1キャンパスあたり)がかかります。
開発負担金は、2年目以降もS$5,166(約64万円)が毎年かかります。
3. インターナショナルスクールの初年度費用の比較一覧表

2章の10校を、初年度の合計で一覧にしました。初年度の合計は、小学校低学年の授業料と、入学する年の学校納付金(返金なし)を足した額です。デポジットは返ってくるお金のため、合計には入れていません。
| 国 | 学校(都市) | 通貨 | 小学校低学年の授業料 | 入学する年の学校納付金(返金なし) | 初年度の合計(円換算) | デポジット | 最終学年の授業料 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| オランダ | AICS(アムステルダム) | € | 6,025(Primary、遠足等込み) | 200(登録料) | 6,225(約115万円) | 500 | 9,168(DP2の年額。授業料7,671+試験料850・遠足等) |
| オランダ | BSA(アムステルダム) | € | 20,461(Year 1) | 2,250(申込料250+入学金2,000) | 22,711(約420万円) | なし | 22,976(Years 10-13) |
| ドイツ | MIS(ミュンヘン) | € | 19,002(Grades 1-4) | 12,231(申込料343+入学金9,788+登録料2,100) | 31,233(約578万円) | - | 28,659(Grade 12) |
| ドイツ | BBIS(ポツダム近郊) | € | 175〜19,400(Grade 1、所得に応じた減額) | 最大7,500(登録料、所得に応じて減額・免除あり) | 上限で26,900(約498万円) | 300(教科書) | 25,100(Grade 12、IBO試験料別) |
| オーストリア | VIS(ウィーン) | € | 23,675(Primary〜Grade 5) | 11,470(申込料670+入学金5,760+施設費5,040) | 35,145(約650万円) | 620 | 29,160(Grades 11・12) |
| スイス | ZIS(チューリッヒ) | CHF | 32,800(Grades 1-5) | 5,500(申込料500+インフラ負担金5,000) | 38,300(約734万円) | - | 39,700(Grades 11-12) |
| イギリス | Southbank(ロンドン) | £ | 40,065(KG〜Grade 2、VAT込み) | 3,600(申込料300+施設開発費3,300、VAT込み) | 43,665(約919万円) | 2,000 | 48,099(DP、VAT込み) |
| マレーシア | GIS(クアラルンプール) | RM | 85,590(Year 1、SST別) | 21,500(登録料20,000+申込料1,500、SST別) | 107,090(約415万円、SST別) | 1学期分(Year 1は28,530) | 126,870(Years 10-13、SST別) |
| タイ | Bangkok Patana(バンコク) | THB | 749,000(Year 1-2) | 285,500(入学金250,000+申込料5,500+施設評価費30,000) | 1,034,500(約489万円) | 50,000 | 1,014,000(Year 12) |
| シンガポール | UWCSEA | S$ | 39,069(K1-G1) | 15,156(入学金4,992+開発負担金9,537+申込料627) | 54,225(約669万円) | なし | 49,926(G11-12) |
※出典(取得日はいずれも2026年10月19日):AICS「School Guide 2026-2027」「Tuition and Financial Matters」(aics.espritscholen.nl)/BSA 2026-27学費表(britams.nl)/MIS School Fees Overview 2026-27(mis-munich.de)/BBIS 2026-27学費表(bbis.de)/VIS Schedule of School Fees 2026-27(vis.ac.at)/ZIS 2026/27学費表(zis.ch)/Southbank 2026/27学費表(southbank.org)/GIS 2026/27学費表(gardenschool.edu.my)/Bangkok Patana School Fee Announcement 2026/27(patana.ac.th)/UWCSEA Fees Structure 2026-2027(uwcsea.edu.sg)
※円換算:€1=¥185、£1=¥210.48、CHF1=¥191.57、RM1=¥38.715、THB1=¥4.725、S$1=¥123.43(2026年10月19日)。1,000円単位以下は丸めています
※バス、昼食、制服、試験料は含みません(AICSのDP2の年額のみ試験料込み)。税は各校の表示どおりで、SouthbankはVAT込み、GISはSST6%別(SST込みの初年度合計はRM113,515・約439万円)です。UWCSEAの学費表は「GST9%込み(該当する場合)」の表示で、課税される項目の内訳は記載がありません。MISのIT費と2・3年目の入学金、SouthbankのPTA費(£42)、UWCSEAの2年目以降の開発負担金は合計に入れていません。Bangkok Patanaの施設評価費は毎年かかります
※デポジットは、AICS・BBIS(教科書)・VIS・Southbank・Bangkok Patana・GISが返金されると記載しています(退学の届け出や未払いの精算などの条件あり)。UWCSEAはデポジットなしと明記し、BSAは返金されない入学金の制度でデポジットはありません。MIS・ZISの「-」は、取得した学費ページに記載がなかったものです。最新の条件は各校にご確認ください
同じ国でも、学校の種別によって初年度の合計は変わります。アムステルダムのAICSは€6,225、BSAは€22,711です。入学する年には、授業料のほかに、約4万円から200万円を超える一時金がかかる学校があります。
国ごとの相場の幅を知りたい方は、インターナショナルスクールの費用はどのくらい?国別の学費相場もあわせてご覧ください。
4. インターナショナルスクールの費用がかからない選択肢:現地の公立校

インターナショナルスクールの費用がかからない選択肢として、現地の公立校があります。
オランダの公立校は国籍を問わず受け入れ、小学校の授業料はかからない
オランダ政府の案内では、5歳から16歳の子どもには、国籍を問わず就学義務があります。基礎学校(小学校)の授業料はかかりません。遠足などの保護者負担金は任意で、放課後の保育は有料です。オランダの暮らし全体は、オランダ移住の完全ガイド|日蘭条約を使った個人事業ルートとはで解説しています。
ニュージーランドの公立校の授業料と、ビザによる違い
ニュージーランド教育省によると、市民や永住者などの国内生徒は、5歳から19歳になる年の翌年1月1日まで州立校の授業料がかからず、留学生は対象外です。移民局は、適切な就労ビザを持つ親の子どもが扶養家族の学生ビザを取得すると、小中学校では国内生徒と同じ扱いで授業料がかからない場合があると案内しています。ワーキングホリデーなど対象外の就労ビザがあり、収入や職種で扱いが変わるものもあるため、移民局の案内で確認が必要です。移住全体の流れは、ニュージーランド移住の完全ガイド|ビザ・費用・永住権への道にまとめています。
オーストリアとイングランドの公立校の受け入れ
オーストリアでは、長く住む子どもは国籍を問わず義務教育の対象で、期間は9学年です。6歳になった次の9月1日から始まります。
イングランドでは、州立校の入学を決める学校や自治体は、国籍や在留資格を理由に申込を拒まないと政府が案内しています。ただし、子どもの在留資格が州立校への就学を認めているかは、親が申込前に確認します。申込は自治体を通じて行います。
公立校には、使われる言語や通学区域の条件があります。子どもに合うかどうかを見極める必要があります。
5. ヨーロッパ在住10年の私が考える、インターナショナルスクールの費用と学校選び

スイスのインターナショナルスクールで娘が楽しんでいた学び
私の場合、会社の赴任で住んでいたスイスで、娘はインターナショナルスクールに通いました。授業は話し合いが中心で、答えが決まっていない問いに取り組むものでした。娘が楽しんで取り組んでいる様子は、今でも印象に残っています。
インターナショナルスクールから現地の公立校へ転校したのは、長く住むと決めたから
イギリスでの暮らしが長くなるなかで、子どものメインの教育を日本と海外のどちらに置くかを、決める必要があると感じました。私の場合、イギリスに長く住む前提だったので、娘はインターナショナルスクールから現地の公立校へ転校し、カリキュラムをIBからGCSEに変えました。
住む期間が長くなるほど、学校選びは暮らしそのものに関わってきます。
インターナショナルスクールの費用より先に、教育の出口と住み続ける国を決める
私が大切にしているのは、教育の出口です。私の場合、娘は6th Formの進学先を、自分でオープンキャンパスに通い、先生と直接話して選びました。学校の費用より先に、その先の進路をどこで迎えるかを考えておくと、学校の選び方が変わります。英語圏の私立のインターナショナルスクールだけが、IBを学ぶ道ではないと私は考えています。
ヨーロッパには、公立でIBを学べる学校もあります。ヘルシンキ市が運営するRessun lukioは、英語のIBディプロマ・プログラムを授業料なしで提供してきました。ただし2026年8月1日以降に始まる学業から、EU・EEA・スイス以外から来た生徒は授業料の対象になると市が案内しており、日本から移る家族も対象になりえます。額はヘルシンキ市の案内で確認が必要です。
受講生の泊さんは、ウィーンへの教育移住を準備しています。ウィーンには、月300ユーロ(€1=¥185で約5万5,500円)でバカロレア教育を受けられる学校があります。詳しくは、ウィーンへの教育移住を準備する泊さんの体験談をご覧ください。今井さんは、オランダで子どもが現地校に通っています。経緯は、子ども3人でオランダ教育移住にまとめています。
国選び全体の考え方は、教育移住とは?後悔しないための国選びと親が知るべき考え方で解説しています。
インターナショナルスクールの費用を払い続けるために必要なこと
学費は、1年で終わりません。払い続けられるかどうかは、その国に住み続けられるかどうかと同じ問題です。会社に雇われて住む場合、ビザは雇用とセットになることが多く、仕事が変われば滞在の前提も変わります。
だから私は、雇用だけに頼らず、自分の事業を持ってから住む国を決める順番がよいと考えています。事業といっても、短期間で一気に稼ぐ話ではありません。地道に積み上げていくものだと考えています。
6. インターナショナルスクールの費用についてよくある質問(Q&A)

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インターナショナルスクールの費用は、授業料に入学する年の一時金まで含めて見ると、初年度に用意する額が変わります。
国によっては、現地の公立校という道もあります。オランダの小学校は国籍を問わず授業料がかからず、ニュージーランドも、永住者の子どもや条件を満たす就労ビザの親の子どもは授業料なしで通える場合があります。
学費の安さで国を選ぶより、家族がどこで長く暮らしたいかから学校を決めたい。その学費を自分の事業で払い続けながら、子どもが自分で選んだ道を隣で見ていられる。親として、そんな毎日を楽しめる生き方を選びたいと私は思っています。
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