仕事・ビジネス

海外移住で転職する方法と現実|「現地採用で年収が下がる」を避ける第3の選択肢

「海外に移住したい。だから、現地で転職して働こう」。とても自然な発想です。海外移住を考えた人の多くが、まず転職サイトで海外案件を探し始めます。

でも、この記事は転職の方法を整理するだけでは終わりません。転職エージェントが立場上どうしても言えない「3つの現実」と、雇われずに移住する「第3の選択肢」までお伝えします。筆者自身、P&Gでの海外赴任を経験したのち、イギリスで起業しました。「雇われる」働き方と「自分で稼ぐ」働き方、その両方を通ってきた立場から、率直に書きます。

1. 海外移住して転職する人が増えている|まず現状

海外移住する日本人の増加

外務省「海外在留邦人数調査統計」によると、海外で暮らす日本人は約129万人規模。その多くが現地で何らかの形で働いています。

区分 内容 主な国
長期滞在者 就労者・駐在員・留学生など(帰国前提) 米国・中国・タイ ほか
永住者 生活の本拠を移した人(増加傾向) 米国・オーストラリア・カナダ ほか

出典:外務省「海外在留邦人数調査統計」 https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/tokei/hojin/index.html

ただし、海外で「働く」手段は1つではありません。選び方を間違えると、年収・キャリア・在留資格で苦労します。この記事では「方法 → 現実 → 最適解」の順に整理します。

2. 海外移住して働く4つの方法

海外で働く方法

海外で働く方法は、大きく4つ。それぞれの特徴・向く人・メリット/デメリットを公平に見ていきます。

2-1. 現地採用(移住先の企業に就職する)

最も「移住して転職」のイメージに近い方法。現地企業に直接雇用されます。自分の意思で国を選べる反面、給与は現地水準(=日本より低い国が多い)。語学力と就労ビザのハードルもあります。

2-2. 日本企業からの海外赴任・駐在

日本企業に在籍したまま海外へ。給与・待遇・住居補助は手厚く、生活の安定度は高い。ただし「会社都合」で、国も期間も自分では選べません。これは「移住」とは少し違うものです。私自身、P&Gのスイス赴任で初めて海外に住みましたが、当時は「自分で国を選ぶ」発想すらありませんでした。守られている代わりに、主導権は会社にあるのです。

2-3. ワーキングホリデー

協定国かつ年齢制限(多くは18〜30歳)があります。外務省のワーキング・ホリデー制度では協定国の一覧が公開されています。あくまで一時的な制度で、長期移住の手段としては弱いのが実情です。

2-4. フリーランス・リモートワーク(雇われない働き方)

日本の仕事や自分の事業をリモートで持ったまま移住する形。多くの転職記事はここを1〜2行で流しますが、実は最も自由度が高い選択肢です。収入を現地水準に縛られず、ビザも雇用主に依存しません。この記事の後半で、ここを深掘りします。

3. 海外転職に必要な語学力・スキル・資金の目安

語学力・スキル・資金の準備

3-1. 語学力(TOEIC/IELTSの基準)

現地採用で求められる目安は、職種によりますがTOEIC 700〜740/IELTS 6.0〜6.5程度が一つのラインとされます。専門職ほど語学要件は高くなる傾向です。

3-2. 求められるスキル・おすすめ職種

大きく2系統あります。

  • 日本語のみでも可能な職種:日本語教師、日本食の料理人、接客、通訳など。ただし現地の低めの賃金水準に縛られやすい点に注意。
  • 専門スキル系:ITエンジニア、看護師、会計士(CPA)、コンサルなど。語学+専門性で高めの待遇を狙えます。

3-3. ビザ(就労ビザは雇用主のスポンサーが必須)

ここが見落とされがちですが重要です。多くの国で、就労ビザは「雇用主がスポンサーになる」ことが前提。自分の意思だけでは取れません。これが次章の現実②に直結します。

3-4. 資金の目安

渡航準備金として100〜200万円程度が一つの目安。ただし現地採用で収入が現地水準だと、貯金を取り崩す期間が読みにくくなります。

4. 転職エージェントが言わない、海外転職3つの現実

海外転職の現実

ここからが本題です。以下は、転職エージェントや求人サイトが立場上どうしても深く書けないこと。なぜなら、求人紹介がビジネスだからです。事実ベースで淡々とお伝えします。

4-1. 現地採用は年収が下がりやすい

JETROの日系企業実態調査やアジアの給与水準データを見ると、アジアの現地賃金は日本より大幅に低い国が多いのが実態です。つまり、海外移住のためにわざわざ年収を下げて転職するという本末転倒が起きやすい。「海外で働く=給料アップ」というイメージは、多くの場合あてはまりません。

参考:JETRO「アジア・オセアニア日系企業実態調査」「アジアの製造業の給与水準」など(https://www.jetro.go.jp/)。現地採用の給与は国・職種で差が大きいため、必ず最新の一次データで確認を。

4-2. ビザが会社に紐づく=辞めたら在留資格を失う

就労ビザは雇用主スポンサーが前提のため、会社を辞める=在留資格を失う=その国にいられなくなることを意味します。つまり「移住が続けられるかどうか」が会社次第。主導権が自分にない、という不安定さがあります。

4-3. 年齢・語学の壁は「雇用」では覆せない

現地採用は、若さ・語学・専門性で選別されます。40代以降や語学に自信がない人は、雇用の土俵では不利になりがちです。これは多くの海外転職記事も正直に認めている課題です。

つまり「雇われて移住する」というルートは、①年収ダウン ②ビザが会社依存 ③年齢・語学の壁、という3つの構造的な弱点を抱えています。では、どうすればいいのか?

5. 第3の選択肢|「転職」ではなく「自分で稼ぐ力」を持って移住する

自分で稼ぐ力を持って移住する

ここで、発想を一段ずらします。

そもそも海外移住の目的は、「海外の会社に転職すること」ではないはずです。本当の目的は「海外で、自分らしく暮らし続けること」。だとすれば、雇われる必要すらありません。

第3の選択肢は、「どこでも稼げる力(自分の事業・スキル)を持って移住する」こと。これは、4章の3つの現実を1つずつ反転して解消します。

海外転職(雇用)の現実 自分で稼ぐ力を持つと…
①現地採用で年収が下がる 収入の天井を自分で決められる(雇用の給与テーブルに縛られない)
②ビザが会社に紐づく 起業・フリーランス系ビザで会社に依存しない
③年齢・語学の採用バイアス 自分の事業なら年齢・性別・語学で「落とされ」ない
(おまけ)国を選べない 合わなければ国を選び直せる

POINT|この記事の結論

海外移住で最初に考えるべきは「どこに転職するか」ではなく、「どこでも稼げる自分を、どうつくるか」です。

雇われずに稼ぐ力があれば、収入も、ビザも、住む国も、すべての主導権を自分が握れます。

私は、会社員として海外も経験したうえで、最終的にイギリスで起業し「雇われない移住」に行き着きました。最初から順調だったわけではありません。赤字の時期も、試行錯誤もありました。それでも断言できます。移住の自由は、収入源の自由から生まれます。

実際に、私が支援してきた受講生の中には、雇用ではなく事業を持って移住し、パリからオランダへと国を「選び直した」女性経営者もいます。その物語はこちらの体験談記事で紹介しています。

6. 海外移住×働き方|目的別おすすめの国

目的別おすすめの国

働き方のタイプ別に、相性の良い国を挙げます(国の詳細は海外移住おすすめの国の記事へ)。

  • 現地採用で挑むなら:オーストラリア・カナダ・シンガポール(求人と賃金水準が比較的高い)。
  • 東南アジアで暮らす/働くなら:タイ・マレーシア・ベトナム(日系企業の現地採用も多い)。
  • リモート/フリーランスで移住するなら:ポルトガル・ジョージア・マレーシア(長期滞在・ノマド制度が整い、稼ぐ手段を持ち込めば最も自由)。

7. よくある質問(Q&A)

よくある質問

Q. 未経験・英語が苦手でも海外転職できますか?

A. 日本語のみでできる職種はありますが、賃金は低めになりがちです。長期的には、自分のスキルや事業を持つ道のほうが安定します。

Q. 30代・40代で海外転職は遅いですか?

A. 雇用の土俵では不利になりやすいのが現実です。一方、自分の事業を持てば年齢は壁になりにくく、むしろ経験が武器になります。

Q. 海外転職にエージェントは必要ですか?

A. 現地採用を目指すなら有効です。ただし提案はすべて「雇用前提」である点を理解したうえで使うのがコツです。

Q. ワーホリから移住に繋げられますか?

A. 年齢・協定国の制約があります。長期化には別のビザや安定した収入源が必要になります。

Q. 移住後に収入が下がるのが不安です。

A. だからこそ「自分で稼ぐ力」です。雇われない収入源の作り方は、公式LINEの特別講義で具体的に解説しています。

まとめ

海外移住転職のまとめ

海外移住して働く方法は4つ。語学・スキル・資金の準備は確かに大切です。しかし、海外転職には①年収ダウン②ビザが会社依存③年齢・語学の壁という構造的な現実があります。だからこそ、海外移住は「転職」ではなく「自立」で考える。雇われずに稼ぐ力こそが、移住の主導権を握る鍵です。

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