移住準備

海外移住おすすめの国10選|人気ランキングより大事な「選び方の軸」を移住経験者が解説

「海外移住におすすめの国はどこ?」そう思って検索すると、人気ランキングがずらりと並びます。マレーシア、タイ、オーストラリア…。どれも魅力的に見えて、かえって選べなくなる。そんな経験はないでしょうか。

この記事は、人気の国を上から並べるだけの記事ではありません。「あなたの目的から逆算して移住先を選ぶ」ための記事です。筆者自身、P&Gのスイス赴任から始まり、複数国での生活・起業を経て、これまで多くの日本人の海外移住を支援してきました。その経験から断言できるのは、移住の成否を分けるのは「どの国が人気か」ではなく「選び方の軸」を持っているかどうか、ということです。

1. 海外移住する日本人は過去最多|まず知っておくべき現状

海外移住する日本人の増加

「海外移住なんて、一部の特別な人の話」と思っているならいるなら、それはもう過去のイメージです。外務省の「海外在留邦人数調査統計」によると、海外で暮らす日本人は長期滞在者と永住者を合わせて約129万人規模にのぼります。

区分 内容 傾向
長期滞在者 3か月以上の滞在で、いずれ帰国予定の人(駐在員・留学生など) 2021年以降やや減少
永住者 その国に生活の本拠を移し、永住権等を持つ人 増加傾向(過去最多を更新)
合計 海外在留邦人数 約129万人規模

出典:外務省「海外在留邦人数調査統計(令和7年版)

注目すべきは、一時的な「駐在」は減り、腰を据えて暮らす「永住」が増えているという点です。在留邦人が多いのはアメリカ・オーストラリア・中国・カナダなど。「海外で暮らす」ことは、もはや特別な選択ではなくなりつつあります。

ただし、人気だから、人が多いから「あなたにとって良い国」とは限りません。まずはここを押さえてください。

2.「人気ランキングで選ぶ」のが失敗の入口

人気ランキングで選ぶ失敗

多くの人が「海外移住 おすすめ ランキング」で上位の国をそのまま選ぼうとします。実は、これが後悔の最大の入口です。

理由は3つあります。

①ランキングは「平均的な人」向け。あなたの働き方・家族構成・資産・語学レベルは反映されていません。

②「物価が安い=幸せ」ではない。仕事と収入が伴わなければ、物価が安い国でも生活は静かに破綻します。

③「憧れ」で選ぶと現実とのギャップで帰国する。実際、移住して1〜2年で日本に戻る人は少なくありません。

POINT

大事なのは「どの国が人気か」ではなく、「その国で自分がどう稼ぎ、どう暮らすか」です。

だからこの記事では、ランキングではなく ①選ぶ軸(9つのチェックポイント)→ ②目的別のおすすめ国 の順で解説します。

3. 海外移住先を決める9つのチェックポイント

移住先を決めるチェックポイント

移住先は「憧れ」ではなく、複数の客観的な軸で総合的に判断します。次の9つを、自分の優先順位とともに点検してください。

3-1. 治安・安全性

感覚ではなく客観データで確認しましょう。国際指標のGlobal Peace Index(世界平和度指数)や、外務省「海外安全ホームページ」の危険情報レベルが目安になります。アイスランド・ニュージーランド・日本などは常に上位です。

3-2. 物価・生活費

「なんとなく安そう」で判断しないこと。Numbeoなどの生活費指数を使えば、東京を100としたときの各都市の物価を数値で比較できます。ただし“安い国ほど良い”ではなく、現地で得られる収入とのバランスで見るのが鉄則です。

3-3. ビザ・永住権の取りやすさ

観光ビザでは住めません。長期滞在には就労・起業・投資・配偶者などのビザが必要です。ここで重要なのが、1年ビザの更新を延々と続ける生活は不安定だということ。最初から「永住権につながる道筋」を設計して国を選ぶ視点を持ってください。

3-4. 医療・社会保障

外務省「世界の医療事情」で、移住先の医療水準と保険制度を確認できます。医療費が高額な国(アメリカなど)では、民間医療保険の設計が生活を左右します。

3-5. 気候・自然環境

四季の有無、乾季・雨季、日照時間。意外な盲点が冬の日照です。北欧では冬季うつ(季節性うつ)が知られ、日照の短さが生活の質を下げることがあります。

3-6. 言語・英語の通用度

英語が広く通じる国(オランダ・シンガポールなど)と、現地語がほぼ必須の国(フランス・タイなど)では、生活の難易度が大きく変わります。語学はあるに越したことはありませんが、「語学より先に、稼ぐ手段がある」ほうが移住はずっと安定します。

3-7. 税金・社会保険(移住後の日本側も)

多くの記事が触れない重要ポイントです。移住後は日本の「非居住者」となり課税関係が変わります。年金・健康保険の扱いも要確認。逆に、ドバイ(所得税ゼロ)やジョージアのように節税を目的に国を選ぶという発想もあります。

注意:税務・年金・保険は個人の状況で結論が大きく変わる領域です。本記事は一般論であり、最終判断は税理士・社会保険労務士など専門家にご確認ください。

3-8. 仕事・収入を確保できるか

移住後の収入源は大きく「現地採用」「リモートワーク」「起業」の3択。実は国を選ぶ前に、この“稼ぐ手段”を決めることが本質です(第5章で詳述します)。

3-9. 教育・子育て環境

子連れ移住なら、インターナショナルスクール・現地校・日本人補習校の有無と学費を確認します。教育移住として人気なのはマレーシア・カナダ・ニュージーランドなどです。

4.【目的別】海外移住におすすめの国10選

目的別おすすめの国10選

ここからが本題です。人気順ではなく「目的別」に10カ国を整理しました。あなたが最優先したいテーマのグループから読んでください。

4-1. 生活費を抑えて暮らしたい

マレーシア

ロングステイ希望先として長年人気上位。物価は日本の半分前後、英語が広く通じ、長期滞在ビザ「MM2H」も整備。教育移住先としても評価が高く、「コストを抑えて快適に暮らす」を満たす総合力の高い国です。

タイ

バンコクを中心に日本人コミュニティが大きく、在留邦人数も上位。物価が安く、日本食・医療も充実。海外生活が初めての人でもなじみやすい環境です。

ベトナム

物価は本記事の中でも最安級。経済成長が著しく活気があり、若い世代やビジネスチャンスを求める層に向きます。日系企業の進出も進んでいます。

4-2. 治安と生活の質を最優先

オーストラリア ビザは計画的に

在留邦人数は世界トップクラス。治安・賃金水準・自然環境のバランスが良く、生活の質を重視する人の定番。永住権制度(技術移民など)も整っています。

ニュージーランド

治安は世界最上位級。雄大な自然とゆとりある暮らし、教育水準の高さが魅力。「静かに、丁寧に暮らしたい」人に向きます。

カナダ 永住に繋げやすい

移民に寛容で、Express Entry など永住権への道筋が比較的明確。多文化社会で日本人も暮らしやすく、「最初から永住を設計する」方針と相性が良い国です。

4-3. ビザ・節税・リモートワーク

ポルトガル

EU圏でありながら物価が比較的安く、デジタルノマド向けビザも整備。リモートワーカーの移住先として近年人気が急上昇しています。

ドバイ(UAE) 生活コストは高め

個人所得税がゼロ。節税・資産防衛を重視する経営者・投資家に選ばれます。治安も良好。ただし住居費・生活費は高めで、稼ぐ力が前提になる国です。

ジョージア

生活コストが低く、税制が事業者に有利。長期滞在しやすい制度があり、ノマド・フリーランスの“穴場”として注目されています。

4-4. ヨーロッパで事業を持って暮らす

オランダ 自営ビザを取りやすい

英語が驚くほど広く通じ、ヨーロッパ全域へのアクセス拠点になる国。日蘭通商航海条約により、日本人は自営業(個人事業)のビザを比較的取得しやすいという大きな利点があります。「雇われず、事業を持って欧州で暮らす」を実現しやすい国の筆頭です。実際にパリからオランダへ移住し、事業を続けている方の体験談はこちらの記事で紹介しています。

各国の在留邦人数・順位は外務省統計に基づく実数で、物価感はNumbeoの指数で確認しています。「なんとなく安い・治安が良い」ではなく、必ず一次データで裏を取って選んでください。

5. 国選びより大事な、移住を成功させる本当の条件

移住を成功させる条件

ここまで国を比較してきました。しかし、移住の成否を最終的に決めるのは「国」ではありません。「どこにいても稼げる力があるか」です。

理由は明快です。

物価が安い国でも、収入源がなければ貯金は減り続け、数年で帰国に追い込まれます。

現地採用は給与水準が日本より低い国も多く、「移住のために年収を下げる」という本末転倒が起きがちです(詳しくは海外移住×転職の記事へ)。

ビザも“雇われ”だと会社に紐づき不安定。自分の事業なら、移住の主導権を自分で握れます。

① 言語・文化の学習、現地語の基礎と生活マナー。

② 移住費・生活費の貯蓄、「初期費用+月額×想定年数」でモデル化しておくと安心です。

③ ビザ/永住権の取得手続き、最初から永住につながる種類を選ぶ。

④ 日本側の処理、海外転出届・在留届・住民票・税金・年金・健康保険。

⑤ 海外送金・現地銀行口座・保険、送金コストの低いサービスの準備も。

⑥ 家族や友人への挨拶、準備に追われて意外と忘れられがちな部分です。海外に出ると、これまで気軽に会えていた人と簡単には会えなくなります。「移住前に顔を見て話したかった」と後悔しないよう、会いたい人には会っておきましょう。

そして最も重要な準備は、収入源の確保です。これが整っていない人ほど、現地で苦労します。

6. 海外移住に向けて準備すべきこと

海外移住の準備

移住は段階的な準備が必要です。抜け漏れは移住後の生活に直結します。

① 言語・文化の学習──現地語の基礎と生活マナー。

② 移住費・生活費の貯蓄──「初期費用+月額×想定年数」でモデル化しておくと安心です。

③ ビザ/永住権の取得手続き──最初から永住につながる種類を選ぶ。

④ 日本側の処理──海外転出届・在留届・住民票・税金・年金・健康保険。

⑤ 海外送金・現地銀行口座・保険──送金コストの低いサービスの準備も。

⑥ 家族や友人への挨拶──準備に追われて意外と忘れられがちな部分です。海外に出ると、これまで気軽に会えていた人と簡単には会えなくなります。「移住前に顔を見て話したかった」と後悔しないよう、会いたい人には会っておきましょう。

そして最も重要な準備は、収入源の確保です。これが整っていない人ほど、現地で苦労します。

7. 海外移住に関するよくある質問(Q&A)

海外移住のよくある質問

Q. 海外移住にはいくら必要ですか?

A. 国によって大きく異なりますが、初期費用(ビザ・渡航・住居の初期契約)に加え、当面の生活費を「月額×想定年数」で見積もるのが基本です。物価の安い東南アジアと欧米では数倍の差が出ます。

Q. 英語ができないと移住は無理ですか?

A. 国によります。オランダのように英語が広く通じる国もあります。ただし本質的には、語学より先に「稼ぐ手段」がある方が移住は安定します。語学は移住後にも伸ばせます。

Q. 海外移住後も日本の税金はかかりますか?

A. 「居住者・非居住者」の判定で課税関係が変わります。日本に一定の所得や資産があれば課税対象が残る場合も。詳細は必ず税理士など専門家にご確認ください。

Q. 何歳まで移住できますか?

A. 年齢制限のあるビザ(ワーホリなど)もありますが、年齢で閉ざされない道もあります。とくに自分の事業を持つ場合、採用時の年齢の壁が効きません。

Q. 仕事はどうやって見つければいい?

A. 現地採用・リモートワーク・起業の3択です。それぞれの現実は海外移住×転職の記事体験談記事で詳しく解説しています。

まとめ

海外移住のまとめ

海外移住におすすめの国は、人気ランキングで決めるものではありません。①9つのチェックポイントで軸を持ち、②目的別に候補を絞り込む。そして何より、移住の成否を分けるのは「国」ではなく「どこでも稼げる力」です。これさえあれば、国はいつでも選び直せます。

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