治安・安全性

治安がいい国ランキング|海外移住で安全に暮らせる国を比較

海外移住を考えるとき、多くの人がまず気にするのが「その国の治安」ではないでしょうか。ニュースで見る事件や事故、テロや紛争のリスクなど、安全に関する情報は移住先選びの土台になります。

この記事では、Global Peace Index(世界平和度指数)などの客観的なデータをもとに、治安がいい国を海外移住の視点でランキング形式で紹介します。あわせて、治安の良さだけで移住先を決めることの落とし穴についても解説します。

※本記事で紹介する順位やスコアは2025年時点の公開データに基づいています。最新の状況は各国政府・国際機関の公式情報をご確認ください。

治安がいい国の基準とは?データの読み方

レイキャビクの穏やかな街並みと歩行者通り

「治安がいい国」と一口に言っても、何をもって治安がいいとするかは意外とあいまいです。よく使われる指標のひとつに、経済平和研究所(Institute for Economics & Peace)が発表しているGlobal Peace Index(GPI、世界平和度指数)があります。これは犯罪発生率だけでなく、紛争リスクや軍事化の度合いなど、幅広い視点から国の「平和度」を数値化したものです。

ただし、ここで注意したいのは、「治安がいい」と「移住しやすい」はまったく別の話だということです。GPIの上位常連国であるアイスランドやスイスは、治安の面では申し分ない一方で、物価の高さやビザ取得の難しさから、誰にとっても移住しやすい国とは言えません。

治安のデータはあくまで判断材料のひとつです。ビザの取りやすさ、生活コスト、仕事や収入の確保のしやすさなど、複数の軸をセットで考えることで、初めて「自分にとって暮らしやすい国」が見えてきます。

また、同じ国の中でも都市部と地方、観光地とローカルエリアとでは体感治安が大きく異なることも珍しくありません。国単位のスコアだけで判断せず、実際に住むエリアの情報まで踏み込んで確認する姿勢が求められます。

治安の良さを測る3つの指標

ノートパソコンのキーボードで入力する手元

治安の良さを客観的に把握するために、よく参照される指標を3つ紹介します。それぞれに特徴と限界があるため、ひとつの数字だけを鵜呑みにせず、複数の視点から見ることをおすすめします。

GPI(世界平和度指数)

経済平和研究所が毎年発表している指数で、163カ国を対象に、国内の治安だけでなく紛争リスクや軍事支出の水準まで含めて算出されます。国単位の大きな傾向を掴むには参考になりますが、紛争リスクの要素が大きく反映されるため、身近な犯罪の少なさをそのまま表しているわけではない点には注意が必要です。

犯罪率(Numbeo Safety Indexなど)

Numbeoの Safety Index のように、利用者の体感アンケートをもとにした犯罪率の指標も広く参照されています。都市単位での比較がしやすい一方で、回答者の主観に基づく申告ベースのデータであるため、サンプル数や回答者の属性によってばらつきが出やすいという限界があります。

在留邦人の安全情報(外務省海外安全情報)

日本人にとって実用性が高いのが、外務省が発信する海外安全情報です。危険レベルの表示や、実際に日本人が巻き込まれたトラブルの傾向などが確認できます。あくまで日本人目線での注意喚起であり、国全体の平和度を測る指標ではない点は理解しておく必要があります。

この3つの指標は、それぞれ「国全体の平和度」「都市単位の体感治安」「日本人特有のリスク」という異なる切り口を持っています。ひとつの指標だけに頼らず、複数を組み合わせて確認することで、より実態に近い治安のイメージをつかむことができます。

治安がいい国ランキング10選|海外移住の視点で厳選

世界地図が描かれた地球儀

ここからは、GPIなどのデータを踏まえつつ、海外移住の視点から治安のいい国を10カ国厳選して紹介します。単純なGPI順位そのままではなく、ビザの取りやすさや生活コストとのバランスも考慮しています。

1位. アイスランド

アイスランドはGPIで17年連続1位という圧倒的な実績を持つ国です。人口はおよそ38万人と非常に小規模で、警察官一人あたりの担当人口も少なく、犯罪発生率も世界的に見て極めて低い水準にあります。首都レイキャビク以外は自然豊かなエリアが広がり、治安面での不安を感じる場面はほとんどありません。

治安は◎ですが、物価は✕(非常に高い)、ビザも△と、移住先として見た場合のハードルは決して低くありません。食料品や外食の価格は西欧諸国の中でもトップクラスに高く、就労を伴う長期ビザも人口規模が小さいぶん採用枠自体が限られています。生活コストの高さと、就労を伴う長期ビザの取得難易度を踏まえると、旅行や短期滞在で魅力を感じる人は多くても、実際に生活拠点を移すハードルは高い国だと言えます。

2位. ニュージーランド

ニュージーランドはGPIで常に上位5位以内に入る常連国で、雄大な自然と穏やかな国民性が魅力です。治安は◎、物価は○、ビザも技能移民カテゴリーなど複数のルートがあり○と、バランスの良さが際立ちます。

島国ならではの地理的な隔絶性が、犯罪や紛争リスクの低さにつながっているとも言われます。都市部の生活コストはオークランドを中心にやや上昇傾向にあるものの、地方都市であれば比較的落ち着いた物価水準で暮らすことも可能です。

こんな人におすすめ

安全な暮らしと豊かな自然、そして英語圏での生活を同時に求める人に向いています。

移住準備の詳細は、ニュージーランド移住ガイドでも解説しています。

3位. ポルトガル

ポルトガルはGPIで常にトップ10圏内に入る、ヨーロッパの中でも特に安全な国のひとつです。治安は◎、物価も◎、そしてD7ビザをはじめとした移住ルートが整っており、ビザも◎と評価できます。

温暖な気候と、リスボンやポルトなど落ち着いた雰囲気の街並みも人気の理由です。日本人を含む外国人移住者のコミュニティも徐々に広がっており、生活面での情報収集がしやすい環境が整いつつあります。

治安の良さと移住のしやすさを両方満たす、数少ない国と言えるでしょう。生活コストが西欧の他国と比べて抑えられている点も、移住先としての支持を集める理由のひとつです。

こんな人におすすめ

安全性、生活コストの低さ、ヨーロッパでの暮らしという3つの条件をまとめて叶えたい人に向いています。

詳しい移住準備の流れは、ポルトガル移住ガイドをご覧ください。

4位. オーストリア(ウィーン)

オーストリアはGPIで常にトップ5圏内に入る国で、特に首都ウィーンは「世界で最も住みやすい都市」として名前が挙がることも多い文化都市です。治安は◎、物価は○、ビザは△という位置づけになります。

音楽や美術など文化的な資源が豊富で、教育移住先としても注目されています。街全体が石畳と歴史的建造物に囲まれ、夜間でも比較的落ち着いた雰囲気を保っている点も安心材料のひとつです。就労を伴わない形での長期滞在を検討する場合は、ビザ要件を早めに確認しておくことが重要です。

5位. デンマーク

デンマークはGPIでトップ5常連の高福祉国家です。治安は◎ですが、物価は△(高め)、ビザも△と、生活コストと滞在許可のハードルの両方を考慮する必要があります。

社会保障制度が充実している一方で、その財源となる税負担も大きいため、移住後の収支をしっかりシミュレーションしておきたい国です。自転車移動が浸透した都市計画も治安の良さを後押ししており、コペンハーゲンは子育て世代からの評価も高い街です。

6位. シンガポール

シンガポールはアジアの中で最も治安が良い国として知られ、厳格な法律による秩序の維持が特徴です。治安は◎、物価は△(高い)、ビザはEP(就労ビザ)取得の難易度から△と評価しています。

夜間でも女性が一人で出歩ける街として評価されることが多く、公共交通機関の治安の良さも際立ちます。一方で住宅費は世界的に見ても高水準で、家族での移住を検討する場合は生活コストのシミュレーションが欠かせません。

就労を伴う移住を目指す場合は、業種やスキルによってEP取得のハードルが変わるため、事前のリサーチが欠かせません。詳しくはシンガポール移住ガイドで解説しています。

7位. 日本

忘れてはならないのが、日本自身もGPIでトップ10圏内に入るほど、世界的に見て治安が良い国だという事実です。海外の国々と比較して初めて、日本の治安の良さが「当たり前」ではないことに気づく人は少なくありません。深夜でも公共交通機関を安心して利用できる、落とし物が届けられるといった感覚は、世界的に見ると決して一般的なものではないのです。

日本を移住先として提案する趣旨ではありませんが、いざというときに帰れる安全な国があるという事実は、海外での挑戦を後押しする心理的な支えになります。

8位. カナダ

カナダの治安は○ですが、これは都市によって差がある点に注意が必要です。物価は○、ビザはExpress Entryをはじめとした移民プログラムが整っており○と評価できます。多文化共生の文化が根付いていることも特徴で、多様なバックグラウンドを持つ移民に対して社会全体が寛容な傾向があります。

移住ルートの詳細はカナダ移住ガイドをご参照ください。

9位. オーストラリア

オーストラリアは治安○、物価は△、ビザは○という位置づけです。都市部と郊外で治安の水準に差があるため、居住エリアの選定が重要になります。シドニーやメルボルンといった大都市でも、エリアによって夜間の雰囲気は大きく異なるため、渡航前の下調べが安心につながります。

詳しくはオーストラリア移住ガイドで解説しています。

10位. スイス

スイスは治安◎と評価が高い一方、物価は✕と非常に高く、ビザも△とハードルがあります。収入が伴えば、世界最高水準の安全と生活の質を得られる国と言えるでしょう。アルプスの自然と都市機能が両立した街並みは、治安の良さと相まって長期的な暮らしの満足度を支えています。

移住準備についてはスイス移住ガイドもあわせてご覧ください。

出典: Institute for Economics & Peace, Global Peace Index 2025

治安がいい国 比較一覧表

国 GPI順位(参考) 治安 物価 ビザ
アイスランド 1位 ◎ ✕ △
ニュージーランド 3位 ◎ ○ ○
ポルトガル 7位 ◎ ◎ ◎
オーストリア 4位 ◎ ○ △
デンマーク 8位 ◎ △ △
シンガポール 6位 ◎ △ △
日本 12位 ◎ ○ –
カナダ 15位 ○ ○ ○
オーストラリア 18位 ○ △ ○
スイス 5位 ◎ ✕ △

※GPI順位はGlobal Peace Index 2025時点の参考値です。治安・物価・ビザの評価は本記事独自の総合判断によるものです。

治安がいい国=移住先として最適とは限らない

デスクでノートパソコンを操作する女性の手元

ここまで治安のいい国を紹介してきましたが、大切なのは治安の良さは移住先を選ぶうえでの必要条件であって、十分条件ではないということです。どれだけ治安が良くても、ビザが取れなければ長期滞在はできませんし、収入源がなければ生活は成り立ちません。

土居さんがよく話しているのは、「安全な場所で、自分の力で稼ぐ生活」を設計することの重要性です。治安の良い国を選ぶこと自体は間違いではありませんが、それだけで移住の計画が完成するわけではないのです。

治安、ビザ、仕事、生活コストという複数の軸を総合的に見て、自分にとって無理のない移住先を選ぶことが、結果的に長く安心して暮らせる環境につながります。

例えば、治安の良さだけを重視してアイスランドやスイスを選んだものの、収入源が確保できず生活が立ち行かなくなってしまっては本末転倒です。逆に、収入の見通しが立っていれば、多少物価の高い国であっても無理なく生活を続けられます。どの国を選ぶにせよ、移住後の生活を支える収入基盤をどう作るかを、移住先選びと同時並行で考えておくことが欠かせません。

住みやすさという観点からもう少し広く国を比較したい場合は、住みやすい国ランキングも参考にしてみてください。また、海外でどう収入を確保するかについては海外移住で働く全方法で詳しく解説しています。

よくある質問

Q. 世界で最も治安が悪い地域は?

GPIでは、紛争が続く一部の中東・アフリカ地域が下位に位置づけられています。ただし同じ国の中でも地域差は大きく、国単位のランキングだけで一律に判断するのは危険です。移住先として検討する場合は、外務省の海外安全情報で最新の危険レベルを必ず確認し、渡航・滞在を避けるべき地域を具体的に把握しておくことが重要です。

Q. 治安がいい国でも気をつけるべきことは?

GPI上位の国でも、都市部での置き引きやスリなどの軽犯罪はゼロではありません。夜間の一人歩きを避ける、貴重品を人前で出さないなど、基本的な防犯意識は治安のいい国であっても持ち続けることをおすすめします。

Q. 女性一人でも安全に暮らせる国は?

本記事で紹介したニュージーランドやポルトガル、デンマークなどは、治安の良さに加えて社会全体のジェンダー平等意識が高いとされる国です。ただし、地域や居住エリアによって体感治安は異なるため、現地在住者の声や最新の安全情報もあわせて確認することをおすすめします。

まとめ

治安がいい国を選ぶことは、海外移住を成功させるうえで欠かせない要素のひとつです。今回紹介したGPIなどの指標は、あくまで判断材料のひとつとして捉え、ビザ・生活コスト・仕事や収入の確保といった要素とあわせて総合的に検討することが大切です。

自分にとって本当に安心して暮らせる国はどこなのか。データだけでなく、自分の目的や優先順位に照らし合わせながら考えていきましょう。治安の良さは、あくまで安心して挑戦するための土台です。その土台の上でどう暮らし、どう収入を得ていくかまで考えて初めて、海外移住の計画は現実的なものになります。

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